取り組み

沖合底びき網漁業の再生に向けた挑戦

免震・耐震・制震技術

 銚子沖合漁業生産組合は、銚子市漁業協同組合所属の沖合底びき網漁業4経営体が平成19年6月に設立しました。設立の目的は経営を一つにして無駄を省き収益を増やして経営基礎を強化し、各経営体の資本を集結して将来の代船取得を容易にすることでした。

耐震補強技術

 銚子地域の沖合底びき網漁船は、当初30トンクラスの掛け回し漁法からスタートし、昭和40年代に50トンクラスの船尾トロール方式に転換しました。その後も大型化が進められましたが、長引く景気低迷(魚価低迷)や原油高騰などの社会情勢の変化から儲からない漁業となっていました。                                           また、漁船の老朽化による維持費の圧迫により個々の経営体では代船建造の資金調達ができないなどの理由のほか、資源の減少と過当競争等による経営悪化により、昭和38年は40隻あった漁船が平成5年は17隻、平成10年には8隻に減少し、平成19年には5隻まで減少してしまいました。これら僚船が廃業していく中で底びき網漁業が無くなってしまう危機感から、生き残りをかけてこれらの諸問題に取り組むため小型船への転換を決意し、国、県、市等の補助事業による儲かる事業やスクラップ助成を活用して、平成28年には組合の4隻全船を19トンの小型化に建造することができました。現在は、浅場での操業が集中し資源への悪影響が懸念されることから、浅場では1そうびき、深場では2そうびきが行える19トン型のハイブリット方式により沖合底びき網漁業の再生に取り組んでいます。

2そうびきの実証操業の経過と取組状況

○○○技術

 これまで19トン型の富丸と第一吉代丸を建造し、船体維持経費等の削減により経営の安定化の道筋を立てることができましたが、経営環境の厳しい状況は続いていました。平成23年と平成24年の漁期は、漁獲物であるヤリイカの好漁により計画を上回る収入の増加がありましたが、平成25年以降はヤリイカの不漁により浅場の魚主体の操業で経営をしのぐ状況でした。このままでは浅場での操業に集中し、浅場資源への影響が懸念されるため残る70トン型の第十一利早丸と第5仲吉丸の2隻を、既に経営の安定化が実証されている同じ19トン型に代船建造し、平成28年9月から2そうびきの実証操業を行い、現在は沖合で1そうびきから2そうびきに転換できるハイブリット方式による実証操業に取り組んでいます。